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統計数値を安易に四捨五入して語る事の危険性。

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例えば「全体の46%が利用しています」の様な時に「大体2人に1人くらい」と考えるのは間違いとまでは言い切らないけど、危険です。分母が小さければ小さい程、不正解率は高くなります。

分母によっては大きな誤解を招くことにもなるので、安易に四捨五入したり約分したりするのは考えものである、とだけ頭に入れておくだけでも十分ですが、具体的な例をいくつか(自分なりに)リストアップしてみました。

 

ドコモのスマホ、年末商戦でシェア首位 3カ月ぶり BCN調査
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL160IW_W3A110C1000000/

10月  11月  12月
・NTTドコモ  29.5% 31.5% 48.8%
・au(KDDI)34.5% 34.0% 29.8%
・ソフトバンク  35.4% 34.0% 20.6%
日経新聞電子版より引用。

この記事によると、2012年12月のDoCoMoのシェアは48.8%。これにたいして「ああ、日本はだいたい2人に1人がDoCoMoユーザーなんだな」と軽く考えておく事自体は、軽い情報としてならば悪くないと思います。もっともこの例だと分母が大きいので、48.8%を50%として考えてもさほど問題はないと思いますが……

いまいちピンとこない方は、もっともっと分母が少ない統計で考えてみるとよいと思います。

社団法人電気通信事業者協会、事業者別契約数(2012年12月末現在)
http://www.tca.or.jp/database/2012/12/

上記サイトでは、携帯電話の契約者数を公開していますが、2012年12月末の段階で129,127,300人だそうです。

この数値にたいして「ああ、1.3億人も携帯ユーザーがいるのか」と考えるのは、複数契約している人たちの事を考えたとしても、それほど間違ってませんが、100人、1000人程度の統計にたいしてまで、同じ風に考えるのは危険だし、明らかに間違っています。
|46/100は50/100ではないし、1/2でもない
冒頭の話に戻します。100人の統計だったとしたら、それは「集計したシチュエーションに於いて100人中46人が利用していた」のであって、「2人に1人くらい」ではありません。

この例だと4%ですが、実際には1%を軽視するだけで、大きく数値が異なってしまう事が世の中沢山あります。

自分で身近に感じるのは、レート。1円未満とまでいかなくても1円の誤差を「だいたい」で計算してしまうと、金額が大きくなった時に誤差が大きくなってしまいます。

実際、この事を強く意識したのは、弊社現地法人とのやりとりをする際に1円未満の端数について軽く考えてはいけないと、事前に強く意識してたからですが、金額だと過敏になれても、他の事では雑に考えてしまう人も多い事に気付いたからでもあります。
|周囲でたかだか数人が実行したからといって、それが世間のトレンドとは限らない。
ある程度の統計としては間違ってないと思いますが、たまたま同時期に数人の友人が同じ食べ物を食べたからといって、世間で流行ってると決めつけるのは危険です。狭いコミュニティや環境の中での流行りにたいして、世間のトレンドと勘違いしてしまう事は多数あります。

例えば、私の周りではタブレット端末が2012年後半の段階で7インチが主流になりつつあり、iPad mini発売で決定的になりましたが、世間でもそうかと言えば、その時点ではそうではありませんでした。ただし、間違いなく流れは7インチに移りつつあったので、コア層の動向で推測は出来ますが、コア層はあくまでコア層にすぎないので、局地的な統計に過ぎません。
|数字、誤差が最初から大きければ誰だって意識する。
例えば、ここ数ヶ月で70円台後半から90円台前半まで円安が進行しました。決済などで定めてた金額から大きな誤差が生じたので、見直しましたが、このくらいの極端な変動がないとたいして変わらないと思いがちですが、大間違いです。

と、言っても実際「1300円も1302.2円」も大差ないよ。という意見もわからなくもないのですが、

「安易に四捨五入したり、数字を雑に扱うのは危険である」

という意識を持つのは、とても大事な事だと思っています。

 

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