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「人の真似をしたくない」という便利な言い訳を多用するのはなぜか?

この記事の所要時間: 554

そう言い切ってしまうと語弊があるけれども、でも世の中パクりだらけです。

ビジネスもそうで、例えば何かの商品がヒットしたとすると、すぐ真似されます。類似名称、類似デザインだけでなく、考え方や、行動の仕組み、ビジネス戦略なんかに関しても同様です。そこそこ売れた本のデザインと似せたり、大ヒット映画に似せた邦題をつけたり、ほぼ同じ様な内容のものを似た名前で販売したり。数え上げたらきりがありません。

最初に断っておくと、真似が違法行為につながるならば駄目。


◆まずは模倣から入るのが合理的。
知らない事は先人に学ぶ、成功例を模倣する、人に教わる、本を読む、良いと思った事はなんでも真似する。なんでも良いですが、そういった模倣から入るのは極めて合理的です。独自性の追求は、そういった初歩段階では考える必要はありません。基礎段階で自己流なんて一番駄目。知らないという事実に背を向けて、独自性の追求という便利な言葉を言い訳にして、自己流を貫いてもなんの意味もありません。

 

◆「人の真似をしたくない」という便利な言い訳を多用するのはなぜか?
ようは、格好付けです。成功者が言ってるケースと、そうでないケースで意味合いは大きく事なりますが、「独自性の追求」を意識するあまり、他を一切参考にせず、学ぼうともせず、楽しようとしてる様では、いずれ挫折するのが目に見えてます。これは根性論、精神論を振りかざして苦労しろと言ってるのはありません。意味のある事を合理的にやる事が大事。

私がここであげている例はそういった事を生業としている人たちの事ではなく、基礎を学ぶのが面倒くさいからと言う理由で、自己流を追求しているというていで努力を怠り、言い訳として「人の真似をしたくない」と言っている人たちの事です。凄く多いです。

そういった格好つけによって、虚像を創りあげて自分を追い込むという方法論もあるのかも知れませんが、それによって実際に何らかのメリットなり利益なりが生まれてるケースを、自分の周りでは見たことがありません。世の中、「人の成功例を真似して追従する人」の方が多いです。精神論や根性論頼みで闇雲に行動するより、人の成功例を追従した方が成功する確率が高いからです。

 

◆面倒くさいから怠ってる事に対する負い目、言い訳。
ビジネスの場合、成功する事が第一なので、成功してるならば何も問題ありません。素晴らしいです。でも、常に失敗のことしか考えない人や、理想論を語るだけで何の行動も起こさない人には、何も起きません。面倒くさいからという理由で、調べたり学んだりする努力を怠って、それの言い訳に格好良い言葉を付け足すだけで成功するならば良いですが、そんな成功例は極めて少ないはずです。

そういった言い訳から派生してる「個性」だの「オリジナリティ」だのを追求しているふりの人たちに多いのが、過去の成功や、人に語る程ではない極めて小さな成功を過剰に語ったりしてるだけで、本当は何の実態もなく何の努力もしていない人たち。

成功者を妬み、陰口を叩く事で自尊心を保つ様な人たちほど、この「オリジナリティ」を追求するふりをして、何の努力もせず、ただ日々を生きてるだけな気がします。成功者を妬み、陰口を叩いて、オリジナリティを追求するふりだけをして努力せず自身の右脳頼み、運頼みでやってきて成功した方がいましたら、ごめんなさい。成功したのは奇跡的な確率だと思うので、本当に凄い事だと思います。

 

◆誤解は禁物。独自性の追求は大事。無意味な格好つけが駄目。
独自性=オリジナリティというものは大事。意味のないオリジナリティの追求が駄目なのであって、最初は模倣から入っても、皆必ず、独自性を打ち出しています。

競争のない未開拓市場、ブルーオーシャンを探し求める事と、オリジナルティを追求する事は、似てる様で全く違います。極端な事を言うと、市場規模が極めて小さく、そのままでは利益も望めないとわかりきってるのに、いっさいの努力を怠っていてはいずれ失敗してしまうのは目に見えています。

そこで必要なのが、行動。これは独自性の追求なども含まります。何もせず、その場に居続けるのは楽だけど、いずれなくなってしまうのがわかっているのに、考えないふりをしていると、いざ無くなった時にどうしようもなくなるのは目に見えています。

 

◆ただ行動するだけでは駄目だけど、それでも行動しないよりは百倍マシ。
過去にも同じ様な事を書きましたが、これはスペンサー・ジョンソンの書籍「チーズはどこへ消えた?」のヘムそのものです。

世の中のヘムは、考えてもわからないからとにかく行動する早さだけが取り柄のスニッフ、それに追従するスカリー。この二匹だけでなく、このままでは駄目だと別の場に旅立とうとするホーすらも馬鹿にしがちですが、客観的に見て一番駄目なのは、明らかにヘム。快適だからとなくなるかも知れない可能性を考えない事にして、その場にとどまるホー。

もちろん、無目的に無闇やたらに行動するだけでは駄目だと思うし、ヘムの様にその場にとどまる事で最終的に成功するといったケースも世の中にはいくらでもあります。でも、頭脳を持ったホーとヘムが、本能的に行動するだけのスニッフとスカリーを馬鹿にし、成功したら今度は妬み陰口を叩く。現実のヘムはこういうのがとても多い気がします。誰が格好悪いか一目瞭然。

なんでそんな10年以上前のベストセラーを今更引き合いに出すんだって話ですが、利口ぶる為にベストセラーを持ちだしたりして読書家アピールをしたい訳ではなく、単に最近、再読して面白いと思ったからです。大まかな流れは覚えてたけど細かい部分は忘れてました。特に物語以外の部分に関しては殆ど覚えてませんでした。

すぐ読み終えられるので、未読でしたら是非。

関係ないですが、私は、知らないくせに批判する人が大嫌いです。例えばこの本についてならば、本を読んだ上での批判ならば良いけれど、読まずに批判されても、その批判に一円の価値もないと思ってるので、聞かないし読みません。

 
◆どんな事でも口で言うだけなら簡単
ブルーオーシャンを見つけ出すのはなかなか難しいものがある為、外に目を向けて他と組み合わせたらどうか、他で応用出来ないか、といった様々な試行錯誤の必要性が出てきます。

実態のない人間や、基本すら出来てない人間が「個性を重視」とか言っても何の意味もありません。無から行動するよりも成功者を真似した方が、成功率は高い筈で、真似から入って物事を覚えていくといった行為も別に悪い事ではありません。

むしろどんな分野でも模倣から入り、最終的に独自性を出して差別化を図る方が合理的。

 

参考書籍
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する
競争の戦略
競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか
チーズはどこへ消えた


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