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mixiのあしあと機能にみるマーケティング戦略。mixiはヘムなのか。ホーになれるのか。

この記事の所要時間: 558

昨日、1/22の午後にmixiが暫定的に足あと機能を復活させました。

もうmixiから遠ざかって久しいですが、自分たちの武器が何なのかを見極めるのは大事だなあと思いました。デメリットはメリットでもあり、メリットはデメリットでもある。ユーザーが何を望み、何に価値を見出しているのかの見極めをあやまるとこうなってしまう、という典型例だと思います。

あれほど隆盛を誇ったmixiが、一気に凋落した原因について今更あれこれ言う必要はないと思うし、あしあと機能を廃止した頃には既にTwitterが盛り上がっていて、Facebookも利用者が増え、GREEやモバゲーはソーシャルゲームを武器に既にmixiとは全く別の世界観を構築していました。なので、あしあと機能を廃止したから一気に廃れた訳ではないのですが、一気に加速したのは紛れもない事実です。

mixiだってつぶやきだとかゲームだとか導入してたし、サンシャイン牧場とか流行ってたじゃんと言われても、当時の怪盗ロワイヤル等と比べてメジャーな存在だったかと言われたら決してそんな事はなかったと思います。怪盗ロワイヤルをやった事がないため、あくまでも認知度での比較になってしまいますが。

あしあと機能を廃止した理由は、あしあとを嫌ってるユーザーを取り込む為とかなんとかそんな様な事を言ってた記事を読んだ記憶がありますが、あしあと機能廃止によって、このあしあと機能に価値観を見出してた人たち、誰が日記を読んでくれたかを観て一喜一憂してた人たちを一気にBlogやFacebook等へと舞台を移させてしまったのではないかと思います。

サーバー負荷がかかりすぎてたとか、そういった事情もあるのかも知れませんが、それでもmixiはあしあと機能を消すべきではなかったと今でも思います。むしろどういう考えがあって、あしあと機能をなくすデメリットよりも、メリットの方が大きいと判断出来たのかが知りたい所。

そもそもmixiは時代についていけなくなっていた部分があったのも確かで、日記を毎回書くよりもTwitterやFacebook等で簡単に投稿する方が手っ取り早く、手軽に交流出来る為、チャットとSNSの中間みたいな感じで使い始め、そのままその使い方が定着した人も大勢いると思います。

Facebookも近いですが、Twitterの方が更にチャットに近い側面がある為、現在ではLINEのグループ機能とも競合してますが、人との交流の場となり、システム上基本的にオープンな場での交流となるので、簡単に情報が集まり、そして拡散するという、このTwitterの圧倒的な拡散能力、情報量はmixiにはなかった大きな利点と言えます。もちろんデメリットでもありますが、これはmixiのあしあと機能同様メリットの方が大きいと考えるべき。

基本的に人が増えると、相対的に変な人が増えるのはどんな場でもある事なので仕方ない事だと思います。blogでもmixiでもTwitterでもFacebookでもそうだし、現実社会でも大人数になってくると変な人が紛れ込む確率はどんどん高くなってきます。

Twitter、そしてFacebookにユーザーを奪われていった後でも、mixiで毎日日記を書き、mixiの中で内輪だけで交流していくといった使い方や、コミュニティで交流するといった使い方をしていた人はまだまだ居たはずですが、あしあと機能廃止をきっかけに、一気に人自体が一気に居なくなった気がします。利用者数は元々減少していましたが、止める事ができず、とどめを刺してしまったという図式。

もはや今ではLINEの内輪グループでの交流と大差ない情報発信力しかない人が大半ではないでしょうか。つまり、情報発信や拡散の場ではなく、内輪でほそぼそとコミュニケーションを図る場。それがいまのmixiです。なので、あしあと復活は良い事だと思います。

LINEも含めて近年のsnsのデメリットがあるとすれば、FacebookもTwitterも情報が使い捨てになってしまいがちなところですが、それを補うために、Blogとそういったsnsを連動させるのが一般化して久しいですが、mixiも既に内輪交流専門といった側面が極めて強い為、結果的に情報の使い捨てという意味ではTwitter等の短文投稿と大差なくなっていると思います。

と、言ってもあしあとを復活させたからといって、利用するのをやめたユーザー、退会したユーザーが戻るとは考えがたい為、どのくらい効果があるのかちょっと興味がありますが、現時点で利用してるユーザーに歓迎されるという意味でも、良い事と言えます。過疎化しきったmixiを利用し続けてる人たちは、そう簡単にはやめない層なので、仮にあしあと復活が歓迎されなかったとしても、それによって減るユーザーというのはあってもごくごくわずかだと思います。基本的には歓迎され、歓迎されなくても今まで使い続けてきた人たちはこれからも使い続けるでしょう。

しかし何度もしつこいですが、反対意見が噴出しまくってたあしあと廃止初期段階でやめなかった理由が、何らかの意地ではないのだとしたら理由が知りたい所です。あしあと復活はあまりにも遅すぎたのではないかとも思いますが、それでも何もやらないよりはマシである事は確かです。

◆「チーズはどこへ消えた?」のヘムなのか。ホーになれるのか。それともヘムのままでもチーズは見つけられるか?

たまたま先日スペンサー・ジョンソンのベストセラー「チーズはどこへ消えた?」を読みなおしたのですが、一連のmixiの騒動がこの本の内容とあまりにもかぶってる気がしたので、いまさらながらmixiの話を書いてみました。

普通に考えたら、mixiはヘムそのものですが、このあしあと機能復活を機にホーになれるかも知れません。もしくは、行動力のあるスニッフや追従出来るスカリー、そして自分の間違いに気付きスカリーやスニッフと同じ場所に辿りつけたホーだけでなく、ヘムが成功を収めるかも知れません。普通に考えたら、スニッフとスカリーでは失敗も多いので、ホーと同じような戦略の人が大半だと思うし、ヘムでは駄目だと思いますが、それはこの物語がヘムを駄目なものとして描いてるから。実際はヘムそのままでも再び成功した例はいくらでもありますよね。確率論の話になると、なんとも言えないし、わからないけど。

だからという訳ではないですが、mixiがホーではなくヘムのまま復活したら凄いと思うし、どういった戦略で巻き返せるかも興味があり、そして楽しみです。もちろん、ホーの様に息を吹き返しても良いのですが、あしあと機能を復活しただけでホーの考えと同じになったかというとそうではない気がするのです。

「チーズはどこへ消えた?」は、手軽にすぐ読み終える事が出来るので、興味がありましたら是非読んでみて下さい。裁断して自炊しようか迷ったけど、その時間分で読めてしまう気がしてそのまま再読してしまったので、結局まだ裁断してません。Kindle版出てほしいなあ。こういう書籍こそ電子版出てほしい。

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