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麻原彰晃三女アーチャリー手記『止まった時計』松本麗華著を読んだ。

この記事の所要時間: 523

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◆はじめに
この本は、昔アーチャリーと呼ばれていた松本麗華さんという著書の手記という視点でしか読んでません。犯罪や犯罪者、あらゆる団体、思想等に関して個人的な意見はないです。

 

2015年3月20日。地下鉄サリン事件からちょうど20年後止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記という本が出版されました。著者は三女の松本麗華さん。日刊スポーツの一面にアッカンベー写真が載った麻原彰晃の娘、と言えば判る人もいるかな。

20日の発売日の段階で買おうと思ったけど、Kindleか書籍で買うか迷って書籍購入。注文のタイミングでAmazonプライムでも翌日お届けにならず、22日に届いて一気に読みました。

ハードカバーなので、絶対持ち歩かないと思い、一気に読んだけど、実際、一気に読めてしまう内容だと思います。内容が薄いとかそういう意味ではなく。むしろ内容は思ってたより濃かったです。

本が出版されてすぐ、色々な反論意見みたいな記事が上がってきたりしてますが、ここでは取り上げません

四女や母親とは大きな溝がありそうなので、なんなら反論本とかも出てくるかも。どんな事でも、当事者じゃなければわからない事とかも多いし、片方の意見を見聞きしただけじゃわからない事なんて沢山あるからね。

 

犯罪者家族も罰を受けるべきという風潮

読み始めてすぐ誰も守ってくれないという映画を思い出しました。

口には出さなくても「被害者の事を考えたら辛い目にあって当然」と、犯罪者家族に対して思ってる人は意外と多い気がします。なんなら、それが正義だと思ってる人も。

この本で語られてる事が全てだとも思わないし、全肯定も全否定もしないけど、片方の側からしか物事を捉えないのは良くない事なのに、社会的影響力が大きい事件や、一般的に好まれない事案に対しては、あらゆる意味でステレオタイプを好み、ステレオタイプの犯人像や被害者像を作り出そうとする風潮がある気がします。

まあ、そうやってわかりやすくする事で、伝えやすいとか理解されやすいとか本が売れるとか視聴率取れるとかあるんだろうけど。

この本を読むまで、いわゆる「オウム側の人達だと思ってた人物」の情報としては、四女にジャーナリストの江川紹子さんが後見人としてついた事と、四女が江川紹子さんの後見から離れたという事くらいしか知らなかったので、他の家族がどうしてるのか気になりました。特に、折り合いが悪そうな母親と四女は表立って反発してきそうだし。

 

いろいろな勇気

個人として接したら、差別はしないのに、遠い世界の人物には遠い所から、もしくは安全な位置から非難したり、人間扱いしないといった様な事はある気がします。

本で語られてる裁判や、今回の出版、そして自身を露出する勇気。

本の発売日も含め、仮に商業的な面が大きかったとしても、自分の顔を出して名前も出して、インタビューにも答えるって、勇気がいるよね。インタビューとか聞かれたくない事も聞かれるだろうし、不快な事を言う人も居るだろうし。

今回、本を出版した事で、安全な位置からの攻撃は沢山くるだろうし。

本を買った直後、本のレビューとか読んだけど、読んでもいない人や本の評価とは無関係な部分での低評価が多かったけど、今のところ、ちゃんと読んだ上での評価(低評価含む)も増えてきてて、注目度の高さを認識。テレビでも過去の事件として報道されるし、発売日も大きかったんだろうけど。

こういう発売日とかに関しては、出版社だって仕事だから沢山売れる為の努力をするのは当たり前だから、著者の意識とか全く関係ないと思うし、なんなら表紙が松本麗華さんの写真というのも出版社の意図だろうけど、多くの人に読んで貰いたい著者と沢山売りたい出版社の思惑が一致した結果。

そういうのを踏まえた上でも、やっぱり勇気がいる事だと思う。純粋に凄い。例えお金の為だったとしても凄いと思うし、知名度の為(売名)の為でも凄い。そういうのが目的ではないと思うけど。

何にせよ行動って大事だな、と思い知らされました。動かないと伝わらない。

 

謂れ無き攻撃に対する反撃

悪意に対して訴訟で反発。なんなら今回の出版もそういう面があるのかも知れないし。

法的にやり返すというのは良い手法。

戦う姿勢を捨てないのは精神的にも辛いだろうから、それに対して協力者が居たのも良かったと思う。著書に出てくる協力者の方々も、協力するのに勇気が必要だったと思うし。

自分の正義を信じる事が、本当に正しいかどうかなんて誰にもわからないし、正直に生きる事が良い事かどうかもわからないけど、人に利用されて人が優位に立つための道具にされ続けるくらいならば、自分に正直に生きるべきだと思うし。

繰り返すけど犯罪や、犯罪じゃなくても人道に反してる様な事なら論外だけど。

 

覚悟と行動

松本麗華さんも色々な経験をして、色々な苦労をしてきただろうし、ここにきて色々な活動をしてるのにも何らかの理由があるんだろうけど、こうやって出版した事で共感を得られたり、反感を買ったり、色々な事があるんだろうけど、やっぱり、勇気があるなあ。凄いなあ、というのが読む前と読んだ後両方の感想です。

もちろん、それなりの覚悟を決めてなんだろうけど、覚悟を決めて行動する人間って強いよね。著書で色々な協力者に感謝してるけど、そういう気持ちを忘れずに、信念を持って行動し続ければ、これからも色々な協力者に恵まれると思う。

文句言う奴なんて、いつまでも言うんだから、どうでもいい文句はほっとけばいいし、ためになる意見だったら参考にすればいいし。

冒頭に触れた通り、事件や犯罪者の事とか一切関係ない、著者の手記を読んでの感想として、これからも自身の夢を実現する為に頑張って欲しいなあと思いました。もう実現出来てるのかも知れないけど。

言葉は悪いけど、今が旬だから、何か主張したい事とかがあるなら、バンバンメディアに出て主張した方がいいと思うし、今回の手記とはまた別で、出したい本があるとかならば、とっとと出した方がいいと思う。言われなくても出版社が話を持っていくだろうけど。そこで出版社やメディアに利用されない強さを持たないとね。

 

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